より良い明日を目指して
啓発活動

ウイルス性肝炎患者には、その悩みを誰にも打ち明けられずに一人で苦しんでいる方がたくさんいます。それはこれまで誤解に基づく偏見を持たれたり、いわれのない差別を受けたりした経験があるからです。そのため今でも、もし感染していると知られたらと不安を抱き、伝えることをためらっている方が多くいるのです。

この状況を変えるために、私たちは、患者自身が正しい知識を学び、勇気を出して自らの声で、患者の思いや体験とともに、これを広く伝えていくことも大切なのではないかと考えました。

私たちは、全ての人が健康で、心おだやかな毎日を送ってほしいと願っています。誰一人として私たちと同じ苦しみを味わってほしくありません。私たち「患者の言葉」には、これを実現させる力があるのではないかと思います。

また、私たちは集団予防接種のときにわずかな手間が惜しまれたことにより、人生が大きく変わってしまいました。私たちの体験を伝えることで、全ての人や病気に通ずる「人権」や「いのち」を大切にする心、人と寄り添う心、安全性を大事にする姿勢を養うことに役立てられるのではないかと考えました。

このような活動の一つとして取り組み始めたのが、学校や大学での患者講義です。この活動を通じてウイルス性肝炎について正しい知識が広がり、この病気で悩む人がいなくなることを望んでいます。そして、私たち肝炎患者への理解も広がり、全ての肝炎患者が安心して暮らせる社会になるようになればと願っています。